世界基準の燃費計算ソフト「PHPP」への挑戦
前回の記事ではAIを活用した室温シミュレーションについてお話ししましたが、私たちはさらにその先にある、世界最高峰の省エネ基準を見据えた学びを深めています。
先日、一般社団法人パッシブハウス・ジャパンが主催する「省エネ建築診断士セミナー」を受講いたしました。これは、ドイツのパッシブハウス研究所が確立した極めて厳格な省エネ建築の基準と設計手法を学ぶためのものです。
日本の計算とは異なる、驚くほど緻密な「PHPP」
パッシブハウスの設計に不可欠なのが、専用のエネルギー計算プログラム「PHPP(Passive House Planning Package)」です。
実際にセミナーを受け、このPHPPを用いた計算に触れてみて最も興味深かったのは、日本の一般的な省エネルギー計算(UA値など)や気密数値の捉え方と、評価の方法が根本から異なる点でした。
窓のガラスやフレームごとの正確な熱損失、地域ごとの詳細な気象データ、日射の取得と遮蔽のバランスなど、その緻密さは驚くほど細やかです。感覚や大まかな数値ではなく、建物の「本物の燃費」をどこまでも科学的に割り出すプロセスに、深い感銘を受けました。
建物だけの省エネに留まらない「PEF」の概念
さらに大きな学びとなったのが、単に「建物の冷暖房エネルギーを減らす」という枠に留まらず、PEF(一次エネルギーファクター:Primary Energy Factor)を考慮する視点です。
家の中で消費されるエネルギーが、自然界から採取される最初のエネルギー(一次エネルギー)としてどれだけの負荷を地球環境に与えているか。そこまでを見据えて設計するという世界基準の思想は、これからの住まいづくりにおいて非常に重要な指標になると確信しています。
最先端の知見やツールを柔軟に取り入れながら、これからも一棟一棟、本当に価値のある心地よい住まいをご提案してまいります。
【受講報告】
今回受講したパッシブハウス・ジャパンの「省エネ建築診断士セミナー」にて、大変ありがたいことに成績優秀者として選出していただきました。